2-01:旅の音、心の音04

繋ぎとめられて・東京品川浦

東京・品川。
昔ながらの商店街からしばらく歩くと海に続く運河に出た。

釣り船や屋形船の向こうには、夕暮れに煌めく高層ビル群。
過去と現在、光と闇が入り乱れた不思議な光景だ。


潮の香りがする。
このあたりは品川浦と呼ばれ、かつては海苔や江戸前の魚が獲れていた場所。
今でも舟溜まりがある。


ここで、漁師という生業を捨てイエス様に従ったペトロを思う。
彼はイエス様にこう告げたとマタイ福音書は伝えている。
「あなたはメシア、生ける神の子です。」

クリスチャンである私は知っている。
しかし、彼はイエス様から、その十字架から逃げてしまう、と。

イエス様はペトロの信仰告白にこう応えられた。
「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。」

裏切るペトロの名を呼ぶイエス様の声。
私とペトロをつなぐもの。


夕闇深まる品川の船溜まりで
過去と現在が交錯する。


マタイによる福音書16章13〜19節

イエスは、フィリポ・カイサリア地方に行ったとき、弟子たちに、「人々は、人の子のことを何者だと言っているか」とお尋ねになった。弟子たちは言った。「『洗礼者ヨハネだ』と言う人も、『エリヤだ』と言う人もいます。ほかに、『エレミヤだ』とか、『預言者の一人だ』と言う人もいます。」イエスが言われた。「それでは、あなたがたはわたしを何者だと言うのか。」 シモン・ペトロが、「あなたはメシア、生ける神の子です」と答えた。すると、イエスはお答えになった。「シモン・バルヨナ、あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、わたしの天の父なのだ。わたしも言っておく。あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる。陰府の力もこれに対抗できない。わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上で解くことは、天上でも解かれる。」

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