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塩谷達也の「Spirit of Gospel」
Oh, Plenty Good Room
Plenty Good Room
Good room in my father’s kingdom
Plenty Good Room
Plenty Good Room
Why don’t you choose your seat and sit down?
I would not be a sinner
I’d tell you the reason why
Cause if my lord should call on me
I wouldn’t be ready to die
#4
これは名もない黒人奴隷が作ったゴスペルで、曲調はブルースと何ら変わらないんですね。
どうしようもないブルーな感情の爆発、その自分に焦点が当たっている歌がブルース。そしてゴスペルも感情の叫びがあります。じゃあ何が違うのか。
ゴスペルのゴスペルたる所以は、その感情の叫び自体じゃないんですね。そこに留まるんじゃなくて、天を仰ぐ。その目線にこそゴスペルのエッセンスが隠されていると思うんです。
ブルースは、「俺もそうだ」「私も辛い」、その共感による横のつながりの歌だと思うんですね。
ゴスペルは、その自分というものはもう手放しちゃう。そして神に、心も体も全部委ねて歌う。自分が無くなるんじゃなくて、神様に引き上げられていくような…。
僕はイエス様に出会って、僕の歌が本当にゴスペルになった時に初めて、ブルースとゴスペルの違いが分かったような気がします。それは知識じゃないし、どっちが好きかということでもなくて、本当に体験したんだと思います。
2014年の番組の再放送です。
#3
僕は高校生の頃にブルースを聞いて、おじいちゃんがうなりながら歌ってたんですけど、当時ハードロックでギターを歪ませて叫んでた僕よりも、遥かに感情の爆発を感じたんですよね。
お金がないとか女房に逃げられたとか仕事がないとか、リアルな日常を歌うブルース。その節回しの全てに、どうして人生は、俺はこうなんだっていう叫びを感じて、共感しました。自分のことを自虐的に歌うことで少し楽になるような…。
ブルースっていうのは自分に語りかけていると思うんです。生きる苦しさ、それは歌っても歌ってもなくなりはしない。だからまた歌うんだと思います。
僕は先にこのブルースと出会って、そこからゴスペルに出会っていきます。次回はそのゴスペルとブルースとの違いをお話したいと思います。
2014年の番組の再放送です。
Nobody knows the trouble I’ve seen.
Nobody knows the trouble I’ve seen, Nobody knows but Jesus
Glory hallelujah!
Sometimes I’m up, sometimes I’m down
Oh, yes, my Lord
Sometimes I’m almost to the ground
Oh, yes, my Lord
#2
この歌が黒人奴隷の深い悲しみを表しているスピリチュアルだということを前回お伝えしました。本当にこの曲は哀感に満ちた曲なんですね。
でもこの悲しみ、決してゴールではないんですね。そこに、究極のジャンプがある。この歌の中に悲しみだけじゃなくて、慰めと勝利がある。この歌は特にそれが生々しく、ビビットに描かれているなと思います。
Nobody knows But Jesus
大学生の時、僕は聖書もキリストも知らずに、初めてこの歌を歌った。その時、心に電流が走ったような感じがした。この「But Jesus」に不思議と心を掴まれた。きっと僕も、自分でも気づかずに大きな孤独と悲しみを胸に秘めて、この歌に出会ったんだと思います。
2014年の番組の再放送です。
#1
ゴスペルは日本で不思議な形で広まっています。
ゴスペルを歌う中で、黒人たちの魂の叫びに、心の深いところが震える。
そういう方がたくさんいるんですね。僕自身もそれを体験してきました。
僕が初めて出会った黒人霊歌「Nobody knows the trouble I’ve seen.(誰も知らない、私の悩みを。)」は、黒人霊歌の中でもSorrow song―「悲しみの歌」という分類に入る曲なんですけど、黒人霊歌っていうのはその底流に、奴隷体験という大きな悲しみの川が常に流れていると言えるんじゃないかなと思います。
2014年の番組の再放送です。
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塩谷達也
ゴスペルシンガー、ソングライターとして、オリジナルゴスペルを歌い続けると共に、ゴスペルの「紹介者」としても活躍。ゴスペルクワイアの指導、著作活動、メディア出演など、その活動は多岐にわたる。現在、青山学院大学のコンテンポラリー礼拝においてワーシップディレクターを務め、学生賛美リーダーの育成に務めている。FEBCでは番組「Session―アートの中の彼の声」に出演中。
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