平凡な人・夫ヨセフの姿から
イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。。…「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ、男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。（マタイ1：18〜25）
父ヨセフ、母マリア、そして子のイエス。
この聖家族でどうしても平凡に思えるヨセフという人。
しかし、今回の「旅路の霊性」では、中村佐知さんの「霊的同伴」の視点を通して、
彼の生き方に秘められた信仰的な深みに迫っていきます。
ヨセフは天使の言葉に従って、マリアを迎え入れました。これって彼にとっては非常に理不尽な状況ですよね。でも、ヨセフは自分ではなく聖霊によってマリアが身ごもる、というこの現実を受け入れたんです。そして言われた通り、生まれた子に「イエス」と名付け、認知した。これは、彼の覚悟なんです。
見方によっては、とても受け身のような印象を受けるヨセフですが、
そこには理不尽な状況を受け入れようとする「覚悟」があった…
私達は異なる人生の中、それぞれの理不尽にぶつかりながら生きています。
そしてそれは時に、ヨセフのように日の当たらないところ、
他者からは理解され得ない痛みでもあるかもしれません。
しかし、そこでなお、
この現実を生きる覚悟を、神様から頂く。
この時間、その彼の秘められた信仰の歩みをご一緒に追っていけましたら幸いです。